歯の色や白さは人によって違う!?

近年、白くて綺麗な歯を求める人が増え、ホワイトニングの需要が高まってきています。

歯は人の印象を大きく左右する要素です。歯が白くキレイに整っていると清潔感があり、爽やかな印象をもたらしてくれます。白い歯の人はそうでない歯の人よりも5歳以上若く見えるという実験結果も出ています。

実は、歯の色や白さには個人差があることを知っていますか?

歯の色には個人差がある

歯の色には個人差があります。これは歯の質の違いによるもので、歯の一番外側がエナメル質、その下に象牙質、象牙質の中に歯髄(神経)があります。白色のエナメル質は半透明であり、象牙質は黄色っぽい色をしています。歯が真っ白でなく黄色味を帯びているのは、象牙質の色が透けているためです。エナメル質の色・透明度・厚さや、象牙質の色は歯によって異なり、これらの組み合わせによって歯の色が決まるので、歯の色は人それぞれ異なってきます。

このように、歯の色には個人差がありますが、飲食物や嗜好品の成分による着色によって元々の歯の色が変わってしまっている可能性もあります。

表面だけの汚れならクリーニングで除去が可能

飲食物に含まれる成分が歯の表面に付着し、歯が黄ばんでしまうことがあります。赤ワインやコーヒー、お茶などの食品に含まれる色素は、歯の表面に付着して着色の原因となります。着色による歯の変色は、歯のクリーニングにより除去し、元の状態に戻すことが可能ですが、歯の内側から変色している場合には、クリーニングでは白くできません。

喫煙は歯茎も黒ずむ原因になる

タバコに含まれる成分のヤニはネバネバした粘着力があり、飲食物に含まれている色の成分を歯に吸着させ、黄ばみを定着させてしまいます。クリーニングによって除去することはできますが、タバコに含まれるタールの成分によってメラニン色素が作り出され歯茎が黒ずんだり、歯周病リスクの増加など、口の中の健康にも悪影響を及ぼすため、注意が必要です。

喫煙による歯周病リスクについては、歯周病のリスクファクター-喫煙編-で紹介しているのでチェックしてみてください^^

欧米人に比べて黄色味を帯びている日本人

日本人の歯の白さ

日本人と欧米人では、歯の質に違いがあります。先天的にエナメル質が厚い欧米人に比べて、日本人の歯はエナメル質が薄いため、もともと歯の色が黄色味を帯びている傾向があります。歯の色見本であるシェードガイドのS30前後はホワイトニングをしていない日本人の平均色で、人から見て歯が黄色いと思われてしまう色味になっています。

欧米人のような白い歯にはホワイトニングも必要

テレビや映画で見る欧米人の真っ白な歯に憧れる人も多いと思いますが、日本人が同様の白さにするためには、クリーニングだけではなくホワイトニングも必要になることが多いです。ホワイトニングを行うことで、元々の歯の色より白くすることはできますが、ホワイトニングの効果には限界があり、真っ白にはならないこともあります。さらに白くしたい場合には、セラミックのかぶせ物(クラウン)を被せることで、希望の白さにすることが可能です。

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ホワイトニングで効果が出にくい失活歯

歯の打撲により歯髄(神経)が死んでしまうと、失活歯と言われる状態になり見た目も黒っぽくなってしまいます。虫歯の治療で神経を取った場合にも、同様に歯の変色が生じます。失活歯ではホワイトニングの効果が出にくい場合があります。そのような場合は、セラミックまたはプラスチックのかぶせ物(クラウン)を被せることにより白くすることができます。

歯の白さを維持するには?

●毎日の歯磨き(ブラッシング)

歯の汚れを早く落とそうと2〜3本まとめて横磨きしていませんか?大きく動かすと歯ブラシの先が細かい部位まで届かず、汚れが取り除けません。1本1本丁寧に汚れを落としましょう。

●色の濃い食べ物・飲み物に注意する
カレーやコーヒー、紅茶、赤ワインなどを口にすると、歯の表面に着色汚れがついてしまいます。着色しやすい食べ物や飲み物を摂取したあとは口をゆすぎましょう。

●定期的な歯のクリーニングを受ける
定期的に歯科医院でクリーニングを受けるのも有効です。日々のお手入れでは落とせない着色汚れも、歯科医院で受けるクリーニングならしっかり落とせます。歯と歯の隙間などの細い汚れも落とせるので虫歯や歯周病の予防にもなります。

まとめ

歯が白くキレイに整っていると清潔感があり、さわやかな印象をもたらしてくれます。ご自身の歯の色が気になる場合は、着色汚れやタバコなどが原因かもしれません。時間とともに歯の表面には着色が起こりますので、毎日のセルフケアはもちろん定期的にクリーニングを受け、汚れをためないことが大切です。

表面上だけに汚れが溜まっている場合は、歯のクリーニングで落とすことが可能です。もし、クリーニングで落ちにくい着色や歯の色味を変えたい場合は、ホワイトニングやかぶせ物(クラウン)なども検討してみてください。

記事監修 Dr.多賀 俊仁
多賀歯科医院
院長 多賀 俊仁

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