似ているけど違う!「液体ハミガキ」と「洗口液」

みなさんは歯磨きの時にオーラルケア商品を使っていますか?

適量をお口に含んですすぐ“液体タイプ”のオーラルケア商品には「液体歯磨き(デンタルリンス)」と「洗口液(マウスウォッシュ)」の2種類があり、使い方がそれぞれ異なることをご存知でしょうか?この2つは見た目が似ているため、間違えて使用している方も実は多いです。

今回は、間違えやすい「液体歯みがき」と「洗口液」の違いについてご紹介します。

歯磨き粉と同じ用途で使う「液体ハミガキ」

液体歯磨き(デンタルリンス)は、液体タイプの歯磨き剤です。昔は、歯みがき剤といえば、「歯みがき粉」という呼び方が一般的でしたが、最近では一口に歯みがき剤といっても、粉や液体、固形などさまざまな形状のものがあり、液体歯磨きも歯磨き剤の一つということになります。歯磨き粉には、研磨剤が含まれているものがありますが、液体ハミガキは研磨剤を含まないので歯を傷つけにくくお口にやさしく、電動歯ブラシを使う時もオススメです。

すすいだあとに歯ブラシでブラッシングして使う

液体歯磨きの使い方は、適量をお口に含んで20〜30秒間程度ぶくぶくうがいをして口の中全体に行き渡らせた後に吐き出し、その後歯ブラシで丁寧にブラッシングします。水ですすいでしまうと有効成分が流れてしまうため、なるべくすすがない方がオススメです。液体ハミガキに加えて歯間ブラシを使用する場合は、ブラッシングの前後どちらかで使いましょう。

【メリット】

  • 形状が「液体」のため、口内でブクブクすることで、配合成分が口内の隅々にまでしっかり行き渡る。
  • うがいの必要がないため、成分を口内に残しやすくなる。
  • 「研磨剤」を含んでおらず、歯ぐきや歯にも優しい。
  • 「発泡剤」が含まれていないため、泡立ちにくく、歯磨きを長く続けやすい。
  • 水で口をすすぐ必要がないため、災害時などにも役立つ。

【デメリット】

  • 液体歯磨きは、「研磨剤・清掃剤」が配合されていないため、着色が気になる方には不向き。
  • アルコールが配合されていて刺激が強いものもあり、口内が乾きやすくなることもある。

歯みがきの補助的なツールが「洗口液」

洗口液(マウスウォッシュ)は、口を爽快にしたり口臭を防いだりなど、歯みがきの補助的なツールとして手軽に使えるアイテムです。すすぐことで、歯垢・口臭といった口内トラブルの原因となる食べカスやミクロの汚れ、ネバネバを洗い流してくれます。ブラッシングをする時間がないときは、洗口液を使うだけでも多少は汚れを落とすことができます。時間がないときや口臭が気になるときに使いましょう。

歯磨きの後の「仕上げ」として使う

洗口液の使い方は、適量をお口に含んで20〜30秒間すすぐだけ。その後は水ですすぐ必要はありません。磨き残し対策のために日常の歯磨き後の仕上げとして使用するのがオススメです。特に、医薬部外品の場合はすすがない方が薬用成分の効果が続きやすくなるため、そのままにしましょう。洗口液を過度に使用してしまうと、お口の中にいる必要な常在菌まで除去してしまい、お口の中の環境が乱れてしまうこともありますので、過度な使用には注意が必要です。

【メリット】

  • 口に含んでゆすぐことで、歯と歯の間や奥歯などのハブラシで届きにくいところにも、配合成分をしっかり行き渡らせることができる。
  • 虫歯・歯周病予防や、口臭予防、歯の着色汚れを浮かせて着色予防をするような商品など種類が豊富で用途にあって選べる。
  • 外出先で歯磨きができないときや、なんとなく口臭が気になるとき、妊娠中で歯磨きをする気になれないときなどに、補助的にも使える。

【デメリット】

  • 洗口液だけでは歯磨きの代わりにはならず、歯磨きのプラスアルファのセルフケアとして使用する必要がある。
  • アルコールが配合されていて刺激が強いものもあり、口内が乾きやすくなることもある。

「液体歯磨き」と「洗口液」の見分け方

見た目が似ているため見分けづらい「洗口液」と「液体歯磨き」ですが、パッケージをチェックすると、どちらなのかがわかりやすく記載されています。使用方法の欄にも、洗口液なら「すすぐだけ」、液体歯磨きなら「すすいだ後にブラッシングする」や「お口に含んでブラッシングする」といった使用方法が明記されています。購入の際には、パッケージの裏面もしっかりチェックしてみてください。

アルコール配合の有無の違いは?

アルコールの有無は特に殺菌効果に差はないため、ご自身に合ったものを使用してください。爽快感や清涼感がほしい人はアルコールタイプを選びましょう。アルコールは口の中が乾燥する原因になることがあるため、口が渇きやすい人はノンアルコールタイプを選びましょう。 また、口内炎などの炎症がある方、お子様もノンアルコールタイプのものを使用することをおすすめします。購入時にはアルコールの有無もパッケージに書かれていますのでチェックしてみてください。

寝る前のオーラルケアが最重要

寝ている間は洗浄作用のある唾液が減ってしまうため、お口の中に細菌が残っていると、食べかすが細菌の餌となり、お口の中で細菌が繁殖します。夕食の後、就寝前までに歯磨き剤や洗口液(デンタルリンス)等を使ったお口のケアをしないと、翌朝の起床時に虫歯の原因であるミュータンス菌が夕食後の約30倍にも増加するともいわれています。

寝る前の歯磨きは時間をかけてしっかりと汚れ(歯垢)を落とましょう。歯磨きの際には「液体歯磨き」もしくは、他の歯磨き剤を使って、歯磨きの仕上げとして「洗口液」を使うのもオススメです。お口のケアをして夜寝ている間の菌の増殖を防ぎましょう。

歯間ブラシやデンタルフロスも併用しよう

歯ブラシが届かない奥歯や歯と歯の間には、歯間ブラシやデンタルフロスなどを併用して細かいところまでしっかりと汚れを落としましょう。歯間ブラシとデンタルフロスの使い方については歯間ブラシとデンタルフロスの正しい使い方という記事で詳しく紹介していますので、よろしければチェックしてみてください。

歯磨きの際に、液体歯磨きや洗口液を使うことももちろん良いですが、一番大切なことはいかにお口の中の汚れを落とせるかということです。実は、大人の方でも正しく歯磨きができていない人の方が多いのが現状です。歯科医院では「歯磨き指導(TBI…Tooth Brushing Instruction)」も行っています。お気軽にご相談ください^^

まとめ

「液体歯磨き(デンタルリンス)」と「洗口液(マウスウォッシュ)」は、同じ液体タイプのオーラルケア商品ですが、使い方や効果などがそれぞれ異なります。大切な歯と歯ぐきを守るために、用途に合わせて正しく使いましょう。

液体歯磨きも洗口液も正しく使用すれば効果を発揮してくれるオーラルケア商品です。お口の中の汚れをきちんと落とすためにご自分にとって最適なものを選んでみてください。

記事監修 Dr.多賀 俊仁
多賀歯科医院
院長 多賀 俊仁

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