歯を失ったときには、入れ歯やブリッジ、インプラントの3つの治療法があります。その中でもインプラントは第二の天然歯と言われるほど画期的な治療法で、世界中でも広く利用されています。
最近の技術革新は、インプラント治療の分野にも革命をもたらし、治療の安全性と効果を大きく向上させています。そこで、今回は「最新のインプラントの今!と安全性」についてご紹介します。
目次
最新のインプラント技術
最新のインプラントは、光学印象の3Shape社のTRIOS(トリオス)のデジタル画像とCTで撮った3Dの骨の画像を合わせ、それに加えて精度の高い「サージカルガイド」を用いることで的確な場所にインプラントを埋め込むことができるようになっています。インプラント技術は、様々なエビデンスの元に開発されており、一昔前より安全性が向上し、治療を受ける患者さまの負担を減らすことにつながっています。
※光学印象…従来の粘土(シリコン印象材など)での歯の型取りとは異なり、お口の中をカメラでスキャンして3Dデータをデジタルで取得する型採りのこと。
CTは、骨の厚みや骨質、血管や神経の位置を立体画像で確認できます。インプラントを埋め入れる上で必要な情報を事前に把握することが可能です。CT撮影によって得られた画像を、ソフトウェア上でシミュレーションすることでより確実で安全なインプラントの埋め込める位置を設定することが可能になります。
サージカルガイドは、インプラントオペの際に用いるマウスピースのような形の装置で、人工歯根を安全かつ正確に埋め込むのに役立ちます。サージカルガイドには人工歯根を埋め込む適切な位置・角度・深さが記録されており、手術当日はそのガイドに従って、専用のドリルを用いて埋入します。
安全性の評価
以前は、「インプラントに使用する金属の種類」の問題がありました。それにより金属アレルギーを持つ一部の患者さまは、インプラント治療は危険とされていました。しかし、現在はインプラント本体は生体親和性(人工の歯や関節が人体とうまく合うかどうか)の高いチタンやジルコニウムで作られるため、アレルギーや拒絶反応が少なく、耐久性も優れています。それに加えて、インプラント技術も向上しているため、インプラント治療は、近年多くの歯科医院にて取り入れられています。一般的にインプラント治療の成功率は90%以上といわれており、外科手術の中では比較的安全性が高い治療の部類に入ります。
インプラント治療が適していないケース
最近では多くの歯科医院で取り入れられているインプラントですが、全ての方にインプラント治療ができるわけではありません。インプラント治療は、虫歯などの治療とは異なり、大掛かりな手術を伴うため、インプラントが適していないケースもあります。例えば、顎の骨が薄く少ない方、未成年の方、金属アレルギーを持つ方、全身疾患や持病を持つ方、妊娠している方などが挙げられます。
インプラント治療が可能かどうかは、一度かかりつけの歯科医院にご相談してみてください。
患者さまへのメリット
最新のインプラントは、より自然な見た目と噛み心地を提供し、患者さまの自信と生活の質の向上につながっています。
メリット1:長期的な耐久性
すべての人口歯には耐用年数というものがあり、いずれも永久的なものではありません。例えば、部分入れ歯だと約5~6年、ブリッジで約8年の耐久性と言われています。しかし、インプラントの累積残存率は10年で9割を超えています。20年でも7割程度残るという報告があります。毎日の歯磨きや歯石除去など定期的なメンテナンスを続けることで、長期間快適に使うことが可能です。
メリット2:周囲の歯への負担が少ない
耐久性と併せてインプラントの大きなメリットになるのが、周囲の歯への負担が少ないこと。例えば、部分入れ歯は、両サイドの歯にバネをかけるように装着するため、数年で周囲の歯が不安定になり、抜歯することもあります。また、ブリッジも歯の隙間が狭い場合は両サイドの歯を削る必要があり、健康な歯に傷をつけなくてはなりません。それらに比べてインプラントは、治療の際に、隣の健康な歯を削ったり、負荷をかけたりする必要がないため自分の歯を長く保ちたい方にとって、大きなメリットがあります。
メリット3:普通の歯に近い噛み心地
インプラントの大きな特徴として、インプラントは、顎の骨に土台を埋め込むため、天然歯に近い噛み心地を得ることができます。自分の本来の歯で噛む力を100%とすると、部分入れ歯では約30%~40%、ブリッジでは約60%に低下する一方、インプラントの場合は約70%~80%の力で噛む事ができるといわれています。噛む力も、噛み心地という点においても、インプラントは優れています。
メリット4:高い審美性
高い審美性を持つインプラントは、自然な歯と見分けがつかないように設計されています。これは、インプラントの色、形、質感が周囲の歯と調和するように精密に作られているためです。インプラントは見た目が自分の歯と同じように綺麗に仕上がる為、前歯部にも対応することが可能です。
インプラント治療の未来
今後も、インプラント治療は生体親和性の高い新素材や、デジタル技術の発展が期待されています。今よりも生体親和性の高い素材が開発されれば、さらにインプラントの成功率や耐久性が向上する可能性が高いです。 また、より正確で効率的な手術技術やソフトウェアの導入により、手術の安全性と予測可能性が向上すると予想されます。
さらに、遺伝子技術や再生医療の進歩により、将来的には個々の患者様の骨や歯肉の状態に合わせた治療法が開発されるでしょう。インプラント治療の未来は、より効率的にパーソナライズされ、個々の患者さまに合わせた最適な治療へと進化していき、今よりも、患者さまの満足度が高い治療法になることが期待されます。
まとめ
歯を失った時に入れ歯やブリッジ、インプラントの3つの治療法がありますが、その中でもインプラントは第二の天然歯と言われるほど画期的な治療法です。最新のインプラント技術革新は、安全性を犠牲にすることなく、治療の効果と快適性をさらに向上させています。
今後もインプラント技術は生体適合性の高い新素材や、デジタル技術の発展が期待されており、更なる発展を続けていくと予想されます。インプラント治療について少しでも気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
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記事監修 Dr.多賀 俊仁
多賀歯科医院
院長 多賀 俊仁