みなさんはスウェーデンが「予防歯科」先進国と呼ばれているのはご存知ですか？予防歯科とは、ムシ歯などになってからの治療ではなく、なる前の予防を大切にすることです。
スウェーデンは、かつて日本よりも虫歯や歯周病の罹患率が高い国でした。しかし、1970年代から国家的な一大プロジェクトとして「予防歯科」に取り組み始め、20歳未満への歯科治療の無料化や定期検診の推進、虫歯や歯周病予防についての教育の推進などの様々な取り組みをした結果、現在では世界で最も歯科疾患が少ない国となりました。
今回は、そんなスウェーデンで一番多く使われている歯ブラシに注目していきます。ぜひ、普段使っている歯ブラシと比較しながら読み進めてみてください。
目次
歯周病予防にはTePeの歯ブラシがおすすめ
スウェーデンの約8割の国民が使っている歯ブラシがTePe（テペ）の歯ブラシです。TePeの歯ブラシは大学の研究ベースで人間工学も取り入れながら客観的な評価によって進化を遂げて現在では、世界60カ国で販売されており多くの歯科従事者の支持を得ています。
TePe（テペ）の歯ブラシは、長年使用しても歯肉を傷めず、歯肉のマッサージ効果も出るように緻密に先がラウンド加工（角を落として丸みを持たせること）されており、歯周病ケアにおすすめの歯ブラシです。
まずTePe（テペ）の歯ブラシについて詳しくご紹介する前に、歯周病についてと歯磨きのコツについて押さえておきましょう。
歯周病は進行する初期の段階で汚れをいかに取り除けるかが大切。
歯周病とは、歯と歯茎の境目に溜まった細菌（歯垢や歯石）が原因で、歯の周りに炎症が起こる病気です。
初期では、「歯肉炎」といい歯茎が赤く腫れたり、歯ブラシやフロスで血が出たりと、歯茎に症状が出始めます。その怖さは、痛みや自覚症状がないことです。
歯肉炎が進むと歯茎がどんどんさがり、歯茎の中にある歯を支えている骨（歯槽骨）を溶かし、歯がグラグラと動くようになります。
さらに進行すると、最終的には歯ぐきから歯が抜けて歯を失ってしまいます。これを歯周炎（歯槽膿漏）といいます。歯周病を防ぐには初期の段階で歯垢や汚れをきちんと取り除くことがとても大切です。
歯周病についてさらに詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
歯周病ケアの歯磨き（ブラッシング）の3つのコツ
①歯と歯肉の境目部分に斜め45度の角度で当てる
ブラシは境目に当たるように斜め45度に傾けて磨いてください。歯ブラシの毛束が歯と歯肉の境目や歯周ポケットの奥まで届いて、汚れをきちんと落とすことができます。
②歯ブラシはギュッと握らず軽い力で磨く
強い力で磨くと歯肉や歯を傷めてしまいます。親指と人差し指と中指の3本の指で歯ブラシを軽く握って磨くことを意識しましょう。強い力でなくても汚れは十分落とすことができます。
③ブラッシングは小刻みに動かす
振り幅は1センチで20回程度を目安に1本ずつ丁寧に磨くことを意識しましょう。磨き残しを防ぐために歯の磨く順番を決めて「右の奥歯から・・・」など順番を決めて磨き進めていくのがおすすめです。
歯周病ケアにおいて最も大切なことは歯と歯肉（歯茎）の境目の溝（歯周ポケット）をいかにしっかり掃除できるかです。歯磨きのコツを意識して鏡を見ながら、ゆっくりと時間をかけて1本ずつ汚れを落とすように歯磨きをしてみましょう。
歯周病ケアの歯ブラシには、TePeのスプリームとスプリームコンパクト
TePeスプリームの歯ブラシは、Supreme(スプリーム）最高の・究極のという名にふさわしく柔らかさ・しなやかさともに最高の磨き心地です。優しいソフトな毛は歯ぐきのケアにも最適です。お口の小さい方や小さいヘッドが好きな方にオススメのコンパクトサイズもあります。
ユニークな2種類の毛先が隅々まで届く
長くしなやかな超極細の毛と歯と歯肉に優しいラウンド加工（角を落として丸みを持たせること）されたコシのある短い毛の2種類の毛先でできています。短い毛先が歯の表面を磨くのと同時に、長い毛先が歯の間と歯肉に沿って隅々までお口の掃除ができます。
力を入れなくても効果的に掃除が可能
極細毛でも痛くなく、弛緩や歯周ポケットなど細かな部分に到達するので細かい部分の掃除が可能です。ネック部分にはワイヤーが内蔵されているので、角度を変えることができ、磨きにくい場所にも効果的に毛先が届きます。
歯のざらつきには、TePeのセレクトとセレクトコンパクト
TePeセレクトは、歯の表面のざらつきやベタつきをすっきりしたい方におすすめのスタンダードな歯ブラシです。密でコシのある毛先が効率よくプラークを除去します。スプリームと同様にヘッドの小さいコンパクトタイプもあります。
奥まで届きやすい先細のヘッド
ブラシヘッドは奥歯に届きやすいように先端が細くなった台形状にデザインされています。奥歯や細かいエリアにも届きやすい作りになっています。
平切タイプで分厚い歯垢もしっかりホールド
スプリームの毛先と比較すると、セレクトの断面は平らです。毛先1本1本は、スプリーム同様ラウンド加工されていますが、毛の長さが同じなので歯面にしっかりと毛先が当たります。分厚い歯垢（プラーク）も取り除きやすくなっています。
歯肉炎や細かいお口の掃除にはTePeのコンパクトタフトブラシ
タフトブラシは、リスク部位にピンポイントに当てて汚れを落とせるので歯と歯茎の境目当たりのケアに重宝されています。
届きにくい場所を正確に掃除するためのドーム型ブラシヘッド
インプラント入歯用アタッチメント、矯正器具、または歯肉の境目といった、届きにくい場所のお掃除に向いています。小さなドーム型のタフトを持つ角度つきブラシで奥歯など奥まった磨きにくい場所に有効です。
精密で細かいところの汚れを落とすにピッタリ
しっかりした感触を与える短い毛が密に詰められた、ワンタフトブラシは、スティックの先端に小さなブラシの毛先が1つ付いている構造で、小回りが利くので、歯並びが悪く磨きにくい奥まった歯もしっかり磨くことができます。
TePeの歯ブラシのネック部分は角度を変えられる
TePeスプリームのネックは内臓のワイヤーでそのまま角度を変えることができますが、TePeセレクトとタフトブラシのネック部分も、お湯で加熱した後に角度をつけることができるので、奥歯や届きにくい場所で一度試してみてください。
まとめ
歯周病のケアにはTePeの歯ブラシをぜひ一度使ってみてください。特に細かい汚れや磨きにくい場所は、タフトブラシというように使い分けてみても良いかもしれません。
日々のセルフケアも大事ですが、歯周ポケットが深くなってくると、歯ブラシの毛先が届かず自分では、磨くことができません。また細菌と汚れの塊である歯垢(プラーク)は、時間が経つと歯石になって、歯みがきでは取り除くことができなくなり、歯周病の原因になります。歯周ポケット深くの汚れや歯石はそのままにせず、歯科医院で定期的にキレイにしましょう。
スウェーデンのように予防歯科がもっと身近になり、治療ではなく予防として歯医者さんに行くことが当たり前の社会になれば、いつまでも自分の歯で食事を楽しむことができます。毎日イキイキと過ごしていくためにも、プロによるケアとセルフケアで大切な「歯」を守っていきましょう。
記事監修 Dr.多賀 俊仁
多賀歯科医院
院長 多賀 俊仁